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竹刀はそのまま降り下ろされた。しかし白い魚人の両手に受け止められてしまった。
「まだそんな力が」中川は距離をとろうとするが白い魚人の手から竹刀が抜けない。
次の瞬間、中川の体が中に浮き一瞬で天井に叩きつけられた。あまりの威力に天井に穴が開いた。
白い魚人が腕を降り下ろすと次に中川は床に叩きつけられた。同時にボキッという鈍い音が鳴った。
激しい痛みが右手首を襲い中川は力任せの叫び声を上げた。手首が折り曲げた割り箸の様になっている。
「よくも中川君を」
片原は前に飛び出し近距離で弓を構え矢を撃ち出した。軌道は眼球に向かって進む。
だが、白い魚人はそれをあたかも予測していたが如くあっさりと掌で受け止めた。
「ならばーー」片原は次の矢をと背中に手を回すーーが白い魚人の方が速かった。白い魚人は掌の矢を抜き取り片原目掛けて投げつける。
槍の様に放たれた矢が片原の右肩に鋭く刺さる。肩を庇う様にして片原は倒れた。痛みに苦しむ片原の声と中川の声がフロア内に響く。
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