:迫り来る影

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 大発見に心が踊る。喜びが顔に表れ口元が緩んだ。そのとき微かに学校のチャイムが聞こえてきた。 「やべっ」  ポケットにパワーストーンを突っ込み大急ぎで入り口に向かう。そのとたん足元の小石に足をとられ転ぶ。  立ち上がろうとすると右足首に激痛が走る。身体中にも痛みを感じる。 「とりあえずここをでないと……」  右足に気を配り小刻みに歩く。入った時とは裏腹に結構時間を要してしまう。  洞窟を脱け出すと光が眩しく感じられた。そして目の前に町が見えた。山頂からの眺めは、初めて見る程の美しさであった。  ふと傷の程を確認してみる。不思議なことに外傷は殆どなかった。だが服装には破傷が見られた。  「おっかしいなあ」  おかしいなあというのも可笑しな言葉だーー。 「でも右足は流石に動かせそうになーー」  右足で地団駄を踏んでみる。少々痛む。だが先程よりも痛みが退いている。不可思議だ……。  少年は歩いて山を降りていく。そして中途の山道に抜けた。すると山の上方からモーター音が聞こえてきた。  白い軽トラックが向かってくる。少年は左手を突きだし親指を立てる。  そうして山のふもとまで送ってもらいお礼を言った。その時、二度目のチャイムが鳴り響いた。
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