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少年は慌てて走り出した。家はそう遠くない場所にあったようで数分で着いた。
履いていた靴を宙に蹴飛ばし、ただいまーっと威勢の良い声を上げて家に入る。
食卓机の上に拾った鉱石と小型ライトを置く。グラスを棚から取りだし氷を二、三個入れる。
冷蔵庫から牛乳も取り出した。取り出したグラスに牛乳を注ぐ。
目一杯注いだ牛乳を中程まで一気に飲み干すと部屋に向かった。少しすると別の部屋が開き白髪の老婆が出てきた。
「……帰って来たのね瑠巳」
向こうの部屋から激しい音がする。少年が学校に行く準備をしている音のようだ。
国語、数学、理科、社会、英語……など聞こえてくる。
老婆は食卓へ向かう。すると机の上の鉱石に手をかけた。
「まあまあ、氷をこんな所にーー」
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