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「アレン、さっきのは流石にひどかったんじゃねーか?」
風見鶏の小屋から少し離れた所で、ヨウスケが口を開く。
すると、今までひたすら動いていたアレンの足が唐突に止まった。
「……俺も、好き好んでやってるわけじゃない……」
俯いた頬にさらりと金の髪が落ち、そこに隠れた唇から重い声が零れる。
「……ただ……、子供は扱い方が解らない……」
友人の密かな狼狽に、ヨウスケは意表を突かれたような表情を見せた。
そして、面白そうに笑うとアレンの隣に立つ。
「まったく、そういうとこは子供だよなぁ。アレンは」
「黙れ」
アレンは、俯いたまま目元を手で覆う。
それが恥ずかしさに赤くなった顔を隠すためだったのか、単にヨウスケの意見に呆れていただけだったのかはわからない。
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