第2章 純Ⅱ

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第2章 純Ⅱ

はらはらと。 散り逝く花弁と見紛う、真白の羽が舞っていた。 闇夜に浮かび上がる、雪のような純白の長い髪。 慈愛に満ちた穏やかな声、その表情。 『私があなた達を守ってあげる』 降り立った天使はこう言った。 『だから』 そして、幼い二人を包むように大きく白い羽を揺らした。 『どうか、────』 はらはらと。 はらはらと。
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