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「ちょ、アレン、俺だってそんなに飢えてねぇよ!ほら、アレンの分だってちゃんと別皿に分けといたし」
「ほう。じゃあその別皿の上にほぼ飯がないのはなんでだ?」
アレンは半分ほと食べた形跡のある小さな皿を、こめかみに青筋を浮かべながら指差す。
アレンの責めるような眼差しからわざとらしく目を逸らし、ヨウスケは情けない声で言った。
「……これは…あれだよ、……フィルがだな……」
「あれ、僕に押し付けるんですか?」
苦しげにヨウスケの口から漏れる言い訳に、部屋の隅に座るフィルと呼ばれた青年が苦笑した。
その声にまた、ヨウスケが項垂れ、小さくなる。
「馬鹿ね。犬でもしつければ『待て』くらいできるわよ」
「アレンさん、後でヨウスケさんに食料の調達でもしてきてもらったらどうですか?」
「え、俺パシリ!!?」
騒がしくなる仲間達を呆れしか込もっていない目で眺め、アレンは短く溜め息を吐いた。
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