第1章 偽りの人生
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「―――あんた。家族で乗ってたんだろ?」 「な、何でそんな事………」 「黙れ。妻は、子供はどうした?」 「まだ、中だ。俺しか動けなかったから………」 俺は微笑んだ。 「黙れ屑野郎(くずやろう)。お前“も”自分が助かりゃ良い人間だろ。理由を教えてやろうか?お前は俺以外の奴等には助けを求めて無い。あんだけ野次馬(馬鹿共)がいるのに、だ」 「あ………うぁ」 ゆっくりとその男に近づいた。
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