第一章 復活のプレリュード

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「恭弥、恭弥、学校が見えてきたよ!」 「…………そうだな」 「きゃは――――! 今日からやっと学校に通えるんだね!」 「俺は小中って通ってたっての、まだ三年間も通わないといけないなんて冗談じゃねぇ」 春らしく、桜が舞い散る通学路。 今日から高校一年生となる柊恭弥ひいらぎきょうやは、隣りの落ち着かない少女を見て溜め息をつく。 その少女は恭弥と同い年のはずだが、明らかに中学生……最悪小学生にも見える容姿。 真っ赤な長い髪をふんわりとたなびかせ、頭の大きなリボンがその動きに呼応して揺れ動く。 「それは贅沢だよ! その当たり前の現実を持たざる者の事を考えたことがあるの!?」 「あー……そうだな」 そうして適当に聞き流しながら、恭弥は空を見上げていた。 その容姿は少々目立つ色の金髪に加えて鋭い目付きをしている。 真面目な学生からしてみれば不良に見えてもおかしくないだろう。 とは言っても、一回りも二回りも小さな少女に振り回されている今の恭弥を見て、危険な不良だと手放しで避けるような者はいないであろうが。 「それにしてもお前、そんな色んな言葉どこで覚えてくるわけ? 記憶喪失の学歴不明とは思えないぞ」 「恭弥、ウチにはテレビもパソコンもあるんだよ?」 「あぁ、俺が見てない時はそんな事ばっかしてたのかお前」 「ネットってすごいんだよ! 現実の裏側って言うか、世界の真実が見えてくるみたいで!」 ずいぶんと嬉しそうに言うが、恭弥はそれに対して驚いたように返す。 「中二かよ!! そしてそれは勘違いだ! そういう奴に限って現実の表側すら理解出来てない!」 「なん……だと……?」
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