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町の外に出る門に向かって、再び歩きはじめる。
石畳の道を歩く、少女の小さな頭を見下ろしながら、クライヴは痛みをこらえるように顔をしかめた。
いつも、こうだ。
自分のせいで、クライヴはこの少女に、我慢ばかりさせている。
クライヴのせいで、レインはどこかに腰を落ち着けることができないし、友達をつくることもできない。太陽の光さえ、クライヴはレインから奪ってしまった。
不自由な己の身を、心底呪わしく思う。
いっそ、ここで彼女を解放してやるべきなのかもしれない。
そう思った時、ふいに、レインがクライヴの腕をつかむ手に、力をこめた。
「お人形より、クライヴのがいい」
ぽつりと一言、つぶやく。
見上げた少女の顔は微笑んでいて、腕から伝わるぬくもりが、彼女の存在を主張してくる。
クライヴは目を閉じた。
「……そうか」
うなずいて。
夜の闇に紛れて、この町から離れるために、外門を目指した。
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