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「おい」
声をかけても動かない。
イラッとして、肩に手をかけようとしたところでリリコはクルッと振り向いた。
「陛下っ」
「うっ…何だ」
リリコは飛び掛からんばかりの勢いでアムスタッドに詰め寄る。
何なんだ、一体。
アムスタッドは織物の部屋でいきなり抱きつかれた時の柔らかな感触を思い出し、体温が上がった気がした。
リリコの瞳は興奮で輝き、頬が紅潮している。
後宮に2人きりで残された意味を理解したのか?
もしもそうなら、俺は……
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