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到着ゲートを出るとすぐに気付いた。
ひょろりと、頭一つ分高い影。
「ラムノスさん!」
リリコが駆け寄ると、ラムノスは片手を上げて答えた。
「ようこそ、いらっしゃいました」
「わざわざお出迎えいただいて、ありがとうございます。お忙しのに、すみません……」
あれから毎日のようにラムノスと打ち合わせをしているクロードから、ラムノスの多忙さは聞き知っている。
リリコが眉根を下げると、ラムノスは肩をすくめてリリコのスーツケースを預かった。
「とんでもないです。他の者に行かせたら、閣下にどやされます」
「そんな」
「冗談じゃないですよ?」
吹き出しかけたリリコは、ラムノスの至極まじめな顔を見て、呆気に取られて固まってしまう。
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