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「それに……」
リリコは首をもたげて、また腕を広い肩に回す。
「ここにいると……この国にいると、あなたにいつも護られている気がするの。いつもあなたに……包まれているの」
アムスタッドはリリコの胴にしっかりと腕を回し、自分の胸に抱え込んだ。
しっかりと、包み込めるように。
「……君がパリに戻っても、どこにいてもわたしが護れると良いのだが」
その言葉にリリコはそっと笑みを見せる。
「きっと、もう大丈夫な気がする。こんなにもわたしは……あなたで満たされているから」
起き上がり、アムスタッドに顔を見せる。
きちんと笑顔を伝えられるようにと。
「きっと、どこにいても一緒ね」
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