Second Visit

115/115
2804人が本棚に入れています
本棚に追加
/535ページ
「…………」 二人は微笑み合い、見詰め合い、頬と頬を寄せ、額と額を合わせ、鼻と鼻を突き合わせ、唇を合わせる。 アムスタッドはリリコの胸元で光るペンダントに唇を寄せた。 シルク貝に込めた誓いを、ようやく果たせたのだ。 古の伝説に、兄の言葉に、愛しい彼女に……永遠の愛を誓う。 そして……ペンダントに反射する光の正体に眼差しを向ける。 それに気付いたリリコも頬を寄せ、二人で天を見上げた。 星々は、土地によって見えるものが違う。 しかし月は、姿を変えていたとしても月ならば、この広い地球のどこからでも見えるだろう。 これから遠い地に離れることがあったとしても、きっとこの想いは変わらないのだと、二人とも知っていた。 きっと、月の光はどこであろうと温かく輝くように。 丸く煌々と眩い光を放つそれは、祝福するかのようにいつまでも二人を照らしていた。 Fin…
/535ページ

最初のコメントを投稿しよう!