Separated Days

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画面に走り寄ったリリコの瞳は潤み、頬は上気していた。 「……何をしていた」 自分でも恐ろしいと思う程、低い声が出た。 「何って……」 戸惑い目を伏せるリリコ。 説明もできないことをしていたのか。 1日の仕事をようやく終え、疲れ切った体を一二もなくパソコンの前に運んだというのに、この愛しい人は……自分のいない国でそんな顔をするのか。 俯いた画面の奥に、いけ好かない奴の影が映り込む。 奴と一緒にいたのか。 ……いや、仕事仲間だとは分かっている。 自宅をアトリエにしている彼女の家に入り浸っているのも知っている。 もちろん、それが必要に駆られてだということも。
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