Separated Days

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「さあ、涙を拭いて。そのままでは閣下にお目にかからせるわけには参りませんよ」 「か、閣下に会えるの?」 「ええ、今すぐお呼びしましょう。そして、来週にはこちらにおいでください」 「えっ!?」 そんな……クロードは何も言ってなかったのに。 「昨日は私もクロードも、お二人を止めるのに必死でしたよ」 「まさか、彼が……」 「全く、似た者同士とは困ったものです」 リリコは絶句する。 彼は怒ったものとばかり思っていた。 嫌われてしまったのかという恐怖心でいても立ってもいられなかったというのに。 「……ふふ」 ようやく溢れたリリコの微笑みに、ラムノスはそっと席を立つ。 「……お待ちしていますよ。あなたは……私の女神でもあるのですから」 その声はマイクには拾われず、リリコの耳に届くことはなかった。 けれど、その夜のこの僅かな会話がリリコを支えることになる。 人は些細な一言に傷つき、そして救われるもの……。 リリコは後に何度もそれを実感したのだった。 ……Fin.
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