Wedding Night

2/10
前へ
/535ページ
次へ
あなたのその瞳を見たのは、3回目ね。 最初に見たのは、私がまだ幼かった頃。 「殿下にお嫁さんにしてもらうの。お父様にそう言ったら、それは良かったなって笑っただけなのにね」 私は口を尖らせて下の兄に縋った。 「殿下に言ったら、僕とマーラは兄妹だから、結婚できないんだよって意地悪言うの」 「そうか」 快活に笑う下のお兄様はやんちゃだけど、上のお兄様、殿下のことが大好きなんだよね。 私と一緒。 だから分かってくれると思ったのに、お兄様も意地悪するの? 私は仕方なしに溜め息をついて、7つ上の兄をつんと見上げる。 「……だから、お兄様でもいいわよ?」 「なんだ、僕は2番目か」 「うん。だって、お兄様もマーラも、殿下のこと大好きだもんね。一緒だよ」 「そうだな。でも、ごめんね、マーラ。僕も兄上と同じなんだ。君とは結婚できないんだよ」 「えー!?」 私は途方に暮れて、兄を見上げる。
/535ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2811人が本棚に入れています
本棚に追加