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あなたのその瞳を見たのは、3回目ね。
最初に見たのは、私がまだ幼かった頃。
「殿下にお嫁さんにしてもらうの。お父様にそう言ったら、それは良かったなって笑っただけなのにね」
私は口を尖らせて下の兄に縋った。
「殿下に言ったら、僕とマーラは兄妹だから、結婚できないんだよって意地悪言うの」
「そうか」
快活に笑う下のお兄様はやんちゃだけど、上のお兄様、殿下のことが大好きなんだよね。
私と一緒。
だから分かってくれると思ったのに、お兄様も意地悪するの?
私は仕方なしに溜め息をついて、7つ上の兄をつんと見上げる。
「……だから、お兄様でもいいわよ?」
「なんだ、僕は2番目か」
「うん。だって、お兄様もマーラも、殿下のこと大好きだもんね。一緒だよ」
「そうだな。でも、ごめんね、マーラ。僕も兄上と同じなんだ。君とは結婚できないんだよ」
「えー!?」
私は途方に暮れて、兄を見上げる。
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