Wedding Night

6/10
前へ
/535ページ
次へ
「私があなたを必ずお守りします。命に代えても」 「命には、代えないで! 私より先に死んだら許しませんっ」 ふ……と頬を僅かに歪めて笑うだけのあなたに、私は真剣に言う。 「いい? 私より先に死んだら一生許さないわよ」 「一生?」 「そうよ」 「そうしたら、私はあなたの記憶に一生残るのですね」 静かに目を伏せたラムノスに体中の血液が凍りつく。 「何言って……」 私が唇を震わせても、あなたは俯いたまま。 「馬鹿なこと言わないで! もうあなたの存在を消せるわけないじゃない。あなたが私の中からなくなることなんて無い。一日だって、一時だって、あなたを思わない時はないのよ?」 あなたは何も言わない。 「ねえっ!!」 今この瞬間にでも、あなたが消えていなくなりそうで、私は怖くなる。 「ねえっ!?」 遠くなりそうな意識の中で、私はあの日を思い出す。
/535ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2811人が本棚に入れています
本棚に追加