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「私があなたを必ずお守りします。命に代えても」
「命には、代えないで! 私より先に死んだら許しませんっ」
ふ……と頬を僅かに歪めて笑うだけのあなたに、私は真剣に言う。
「いい? 私より先に死んだら一生許さないわよ」
「一生?」
「そうよ」
「そうしたら、私はあなたの記憶に一生残るのですね」
静かに目を伏せたラムノスに体中の血液が凍りつく。
「何言って……」
私が唇を震わせても、あなたは俯いたまま。
「馬鹿なこと言わないで! もうあなたの存在を消せるわけないじゃない。あなたが私の中からなくなることなんて無い。一日だって、一時だって、あなたを思わない時はないのよ?」
あなたは何も言わない。
「ねえっ!!」
今この瞬間にでも、あなたが消えていなくなりそうで、私は怖くなる。
「ねえっ!?」
遠くなりそうな意識の中で、私はあの日を思い出す。
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