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「ちょっとやそっとでは死にませんよ。あなたをお守りすると約束しましたから」
「覚えてたの?」
それには答えてくれなかった。
けれど私は、この鍛え抜かれた肉体と知性こそが答えだと知っている。
「一生、私の傍にいなさい。私だけを愛して。そうじゃなきゃ許さない」
ようやく、この胸に抱かれたのだ。
これくらい言わせてもらえなければ気が済まない。
あなたが私をその胸から引き剥がす。
また、怒られるのだと思った。
いつものように。
今のように瞳に熱を燻らせているのは、本気で怒ったときの顔。
今夜が、3回目ね。
でも違った。
「……仰せのままに」
そう言って深く口づけたあなたから流れてきたのは怒りではなく、私がずっと求め続けてきた、愛情と欲望だった。
……Fin.
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