Wedding Night

10/10
前へ
/535ページ
次へ
「ちょっとやそっとでは死にませんよ。あなたをお守りすると約束しましたから」 「覚えてたの?」 それには答えてくれなかった。 けれど私は、この鍛え抜かれた肉体と知性こそが答えだと知っている。 「一生、私の傍にいなさい。私だけを愛して。そうじゃなきゃ許さない」 ようやく、この胸に抱かれたのだ。 これくらい言わせてもらえなければ気が済まない。 あなたが私をその胸から引き剥がす。 また、怒られるのだと思った。 いつものように。 今のように瞳に熱を燻らせているのは、本気で怒ったときの顔。 今夜が、3回目ね。 でも違った。 「……仰せのままに」 そう言って深く口づけたあなたから流れてきたのは怒りではなく、私がずっと求め続けてきた、愛情と欲望だった。 ……Fin.
/535ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2811人が本棚に入れています
本棚に追加