17人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ、そうなんです!じゃ、じゃあ‥!」
俺はもう一度、軽く頭を下げて、走って体育館に向かった。
―説明会終了後
「裕也~!お前なんで遅刻したんだよ」
「寝坊」
「は!?おいおい昼だぞ。寝坊はねーだろ」
「誰かさんが超くだらないことで、朝まで電話してきたんだろうが!!」
「‥‥ははは、人のせいにしちゃダメじゃないかな裕也くん」
そう言ってケラケラ笑うこいつは、家が近所で幼いころからの友達、
マツヤマ リュウタロウ
松山 竜太郎。竜って呼んでる。
中学卒業と共にベタ惚れだった彼女にフラれ、高校での出会いに期待してるらしい。基本ふざけてばっかでうるさいけど、なんだかんだ頼れるいいやつ。
「入学前からツイてないな」
そんな竜の一言に、数時間前の出来事を思い出した。
「‥いや、そんなことないかも」
「え?」
「綺麗な先輩と会った」
この時から俺は、入学式が楽しみで仕方がなかった。
最初のコメントを投稿しよう!