プロローグ

4/9
前へ
/250ページ
次へ
 彼女がうなずいたから、僕は歩きだそうとすると、小鳥遊さんが僕の腕を引っ張る。 「ん? どうしたの?」 「………名前」 「ん? ああ、僕は榊原唯人〔サカキバラ ユイト〕。よろしくね」 「(こくん)」  小鳥遊さんはうなずくと、 「聞いた事ある名前」 「そうなの? どこかで会った?」  聞いてみると、小鳥遊さんは首をかしげる。 「………僕、一度記憶無くしたから、その前に会ったのかもね」 「唯人………?」 「ん?」 「なんか悲しそう」 「そうかい? 僕としては全然気にしてないつもりなんだけどな?」  そう言うと、僕は歩きだす。
/250ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加