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翌日、なにごともなかったかのように普通に雄大と朝食を食べて生徒会室に行くと、いつもより数倍も不機嫌そうな愁ちゃんがいた。
やまちゃんとてっちゃんは怪我が酷くて休むと朝やまちゃんから連絡が来ていた。
「・・・愁ちゃん、どうしたの~?」
俺はそんな愁ちゃんに勇気を振り絞って声をかけた。
「別に、なんでもありませんよ」
愁ちゃんは一瞬俺を睨むと、そう言って仕事を始めてしまった。
「そういえば、転入生はどうだったんだ?」
思い出したかのようにみーちゃんが愁ちゃんにそうたずねた。
ああ、そういえばもう一人転入生が来るって言ってたっけ?・・・はっ、もしかして今度こそ本物の王道転入生だとか!?
「・・・なんのことですか」
ワクワクしながら愁ちゃんの返事を待っていると愁ちゃんの機嫌がさらに悪くなった。
・・・どうやらその転入生が原因らしい。
「愁ちゃん、可愛い子だった~?俺、楽しみだな~!」
「「・・・・・・」」
俺がチャラ男を演じるためにそう言うと、愁ちゃんだけでなく何故かみーちゃんの機嫌も悪くなってしまった。
「・・・飛鳥」
「え、なに、みーちゃん、」
みーちゃんは急に立ち上がったかと思うと、ズカズカと俺の方に近づいてきた。もちろん俺も後ずさるんだけど、壁にぶつかっちゃうわけですよ・・・
「転入生なんか気にならねぇくらいにしてやろうか?」
「・・・みーちゃん、こわいよ~」
「大丈夫。気持ちイイことしかしねェから」
みーちゃんは俺を壁まで追い詰めると、逃げれないように俺の顔の横に手をついた。
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