封護の里─日常─

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「「あにき!おはよう!!」」 そんな声が思考の海からオレを釣り上げた。 「おお、おはよう!」 いい酒は悪酔いしないから、子供の元気な声を聞いても頭に響かない。 「あにき、あにきぃ!まだここにおとまりするでしょ!?」 「するでしょ?するでしょ?」 あ~、もう!カワイイなちくしょー!! 「うん、もう暫くいるよ。この周辺の植物とか探索してからまた旅に出ようかと思ってる。」 「えー!!ずっとここにいなよー!!」 「いなよー!!」 本当にかわいーなぁ~… そう思ってはしゃぐ二人を見ていると 「こら、ウェルが困っているだろう?無理を言うんじゃない。」 「おはよう、ガルサゴ。」 「おはよう。ずいぶん呑ませてしまったが、大丈夫か?」 「ん、うまい酒だったしな。酔いは残ってないよ。」 「そうか、そうか!それは良かった!!朝食が出来ているぞ。その、可愛らしいパジャマから着替えたら食卓に来るのだぞ。」 うっせ、ばーか。 オレは あいよ と言って準備に取りかかった。 準備を終えて食卓に向かうと、そこには父のガルサゴと息子のガルル、バルル。娘のパルルが既に席に着いていた。 「わりぃ、待たせたか?」 「いや、ガルルも今来たところだし問題ない。では、皆揃ったことだし、 いただきます。」 「「「いただきます。」」」 え?いただきます この世界にもあるの? 「ウェル殿、どうしたのだ?」 「いや、なんでもない。いただきます!」
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