道しるべ─第０話─

ん？

「取り敢えず、これで少しは信じてもらえたかい？」

自称神とやらが、言ってきた。

だが、聞こえてるようで聞こえない。てか、そんなことに構う余裕はないのだ。

オレは

呟くように

「オレは……死んだのか？」

オレは、 嘘だよな？ と、言いながらも 目で訴えた。

嘘だと信じたかった。

すると、目の前のそいつは、初めて真剣な顔をみせながら、

「大事な話があるんだ。取り敢えず座ってほしい」

そいつは、また

パチンｯ

と、指を鳴らした。

すると目の前に椅子、テーブル、ティーセットが。

オレたちは椅子に腰掛ける。

オレは一度深呼吸をし、紅茶を口にする。 つい日本人の癖というか習慣というか……どうしても啜りながら飲みそうになるが…なんとか、こらえる。

取り敢えず、落ち着いた。

まず、なにから確認していくか。と、考えを巡らせていると

「太郎くん。まず、最初に謝りたい。すまなかった」

神は、そう言いながら立ち上がり深々と頭を下げた。