序章

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目を開く。 全く知らない場所、知らないニオイ。 ……知らないものが多すぎて戸惑うが、辺りを見回す。 そして一人で呟く。 「……ここは、どこだ? ………魔界への扉はどこに?」 そう。 悪魔は本来、人間界と魔界をつなぐ扉を通らないとこちらに来ることはできない。 ならば、何故自分はここにいるのか、と。 ここには魔界への扉などない、この部屋にはそんなものなんてないはずだ、と。 悪魔は思う。 しかし、 自分はここにいる。 ーーー今は夜のようだ。 静かすぎる。 とにかく。 この部屋を出よう。 悪魔は部屋を出る。
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