序章

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悪魔は部屋の隅々までもを、見逃さず探した。 『魔界へ通じる扉』を。 確かに感じたんだ。 人間界では感じられないはずだが、 感じるというのはきっと扉があるからだ。 それ以外考えられない。 この魔力の強さは、 魔界へ通じる扉に違いない…! 必死に探した。 探して、探して、探し続けた。 やっと見つけたときには体中汚れていて、すごく息切れしていた。 けれど、見つけた時の達成感は何とも言えなかったのだ。 「よし、これで帰れる。……魔界に。」 悪魔は扉を開こうとした。 しかし。 扉は開かない。 開くどころか、全くといっていいほどに開く気配すらないのだ。
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