序章

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…何故だ。……何故? どうして開かないんだ。 そこで、悪魔は気づく。 この扉は発動していないんだ、と。 きっと、長い年月もの間忘れられていたんだろう。 しばらく開けられていない扉は、発動停止になっていく。 すなわち、効果が鈍るのだ。 この扉も、まさにその段階にある。 悪魔は少し考え、決断をした。 「仕方がない。帰れないのは御免だから、 この扉を再び発動させるか。」 そう言い、準備に取りかかる。 発動させるのは、悪魔なら簡単だ。 もっとも、悪魔以外の者は扉を操ることさえ出来やしないが…。 準備は案外、早く終わってしまった。 いや、案外というほどでもない。 元から、準備に時間がかからない事は知っていたはずだ。
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