第9話 カノン

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第9話 カノン

「何、ゴチャゴチャ言ってんだ!」 ブンッ 他の男の攻撃をルシカは交わしてカウンターを仕掛ける。 ドガッ バキッ ドスッ 「あとはお前1人だけだぞ・・・」 「くそっ!」 男は小刀を取り出し、女を掴んで喉元に当てた。 「妙な真似すんなよ・・・この女、殺すぞ!」 パァァッ 女の周りに光が溢れ、ストールが現れた。 「アーティファクトか!?」 「メイデンストール」 「妙な真似すんなと・・・!」 ドスッ 女のストールが勢いよく、男のみぞおちに入った。 「とりあえずありがとう、キミは?」 「ルシカ・ディナス」 「私はカノン・アルベローザ。風流の国:ジパングから来たの」 154cm、42kg。15歳。白から袖にかけて薄い青が入ったツートンの着物に動きやすい紫の袴を纏っている。 「さっきのアーティファクトだよな?」 「メイデンストール・・・布の柔らかさを持ちながら鉄の強度を持つ肩掛けだよ」 「それで、あんなに勢いよく攻撃できたのか」 「あれはメイデンストールだけじゃなく、私の武術:布槍術(ふそうじゅつ)・・・布を勢いで突き出して槍のように相手を打つ武術に鉄の強度が加わったの」 「そうなのか、すげぇな」 「キミ、強そうだし・・・よかったら力を貸してくれないかな?」 「仲間がもう1人いるんだ」 「そうなんだ、その人も手伝ってくれるとありがたいんだけどな」 「でもそいつが言ってたのにはバリルに関わるなって」 「そうなの?バリルに思いっきり関わっちゃうことになるから、そのお友達にも説明させてほしいな」 「とりあえず港で落ち合うんだ、来るか?」 「うん」 こうしてルシカは調達した食料を持ち、カノンと一緒に港に戻った。 ちょうどヴァリウスも戻ってきたところだったようだ。 「ルシカ、その子は?」 「カノン・アルベローザです」 「ヴァリウス・シフォー。よろしくね」 「ヴァリウス、わりぃ・・・バリルの手下、のしちまった」 「どういうことだい?」 「カノンが襲われてたのを助けた。でカノンが力を貸して欲しいことがあるんだってさ」 「力を貸して欲しいこと・・・何だろう?」 「バリルを倒したいんです、私の国:ジパングのために」 「どういうことだ?」 「ジパングに軍事的挑発を仕掛ける隣国:ジルモアとの話をしないといけません」
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