第6話 父と母ー後編ー

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第6話 父と母ー後編ー

「鍵の事まで掴むとはな・・・あの方が動向を注意しろと言われただけのことはある・・・」 グレンとオルミナの前に赤毛のオールバックにレザージャケットを羽織った男が現れた。 「オルミナ・・・ルシカは?」 「テントの中で寝てるわ・・・」 「俺はコイツをひきつける、その隙に・・・」 パァンッ 発砲音とともにオルミナは背後から撃たれた。 「オルミナ!!」 「そこで背中を向けたら・・・お前も終わりだぞ」 「くっ!」 「楽しませろよ!・・・グレン・・・血湧くだろ!!」 「ふざけるー!」 バシュ バシュッ 左側と背中から銃撃がグレンに直撃した。 「この程度かよ・・・グレンよぉ!!」 「お前・・・が・・・紅い・・・凶弾か」 「さてと・・・!」 男はテントから、この光景を見ていたルシカに気付いた。 「依頼にはねぇんだがなぁ・・・坊主!見逃す義理もねぇ!!」 男が攻撃態勢を取ろうとしたとき・・・ 「銃声がしたぞ、2小隊で探せ!」 「ちっ・・・総督府のヤツラかよ・・・」 男はルシカの前から姿を消し、そこでルシカは気を失った。 2日後、ルシカはコソボにいる祖母の家で目を覚ました。 母は銃弾が致命傷で無くなり、父は命を取り留めた。 しかし、妻の死を無駄にしないように紅い凶弾を探す旅に出た。 幼いルシカは祖母に預けられたが、事件の光景により黒髪は白髪になった。 ーその後・・・父の生死は不明のまま、今日に至るー 「これがお前の父と母の真相じゃ・・・」 「俺・・・覚えてないよ・・・」 「それが幼いお前のせめてもの防衛本能だったんじゃな・・・」 「親父は・・・生きてる・・・」 「連絡をよこさんからなぁ・・・生きておるのかも分からずじゃ」 「ばぁちゃん・・・決めた!俺・・・旅に出る!!」 「まぁ・・・そう言うとおもっとったが」 「ルシカ・・・僕も供に行こう」
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