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第7話 旅立ち
「ヴァリウス、よろしくな!」
「ああ、よろしくね」
ルシカとヴァリウスは握手を交わした。
「ところでヴァリウスは何で旅をしていたんだ?」
「”真理の楽譜”・・・って知ってるかい?」
「-?知らねぇな・・・何だ、それ?」
「音楽家の間で噂される最古の楽曲の楽譜さ、演奏はおろか見つけたものもいないとされる楽譜の秘宝みたいなものだな」
「そうか。じゃあ俺は親父と”失われた秘宝”、ヴァリウスは”真理の楽譜”を探す旅ってことになるな!」
「そうだね、僕の小舟で近くの大陸の町まで行こう」
「じゃあ、ばあちゃん・・・行ってくる!」
「元気でのぅ・・・ヴァリウスどの、ルシカをよろしく頼みますじゃ」
「はい、お元気で・・・」
こうして、ルシカとヴァリウスは小舟に乗り、コソボを出発する。
この時、ルシカはまだこの旅が思いもよらぬ運命を変えていく旅とは思いもしなかった。
「ヴァリウス、近くの大陸って何があるんだ?」
「近くの大陸はドレカニアと言って、その南端にある町:ベルルンで旅の支度をしたいと思ってるよ」
「へぇ・・・よく知ってるな」
「コソボに来るのにその町を経由してきたからね・・・ルシカ、ベルルンに着いたら注意することがある」
「何だよ、物騒な町なのか?」
「総督府支部と揉めないこと・・・あと、バリルに近づくな」
「総督府って、ばあちゃんの話にも出てきたな・・・何なんだ?」
「正式名称は世界政財総督府・・・世界各国から集められた代表者が政治・経済・医療・復興・紛争撲滅や復興などを協力・援助・支援する・・・あまりに長いので所属している者達まで総督府と呼ぶ」
「へぇ・・・何か、世界って色々あるんだな」
「ルシカも色んなところを旅すれば分かってくるよ」
「バリルって奴・・・やばいのか?」
「ベルルンの不良を束ねるボスってとこだが、不良の頭ってレベルは超えてるらしいよ。圧倒的な力も使うらしいからね」
「・・・アーティファクトだな」
「恐らくね・・・町の中で落ち着いて行動できないから関わらない方がいいよ」
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