第1章:ギルド

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流石に姫装束で行くワケにもいかなかったので、できるだけ無難な服装にしてきたが、これだけはどうしても外せなかった。 …これはあの方の形見なんだ。 いやいや、死んでないから。 つい、自分の気持ちにツッコミを入れてしまった。 とかく、大したものでないことはたしかだ。 …その辺の出店で買った安物のアミュレットだ。 付加された効果もたしか一つあったかなかったかくらいのもので。 「おぃ!聞いてんのかァ!」 …すみません。聞いてませんでした。 正直ゴロつき程度に負ける気はしなかった。 …ハァ。 こんな所でイベント戦やってる場合じゃないのに。 何しろイベント戦だ。 逃げられない。 正味逃げることはできる。 しかし、このゲーム…いやいやいや、世界ではイベント戦で逃げたら逃げた分あとでちゃんと支払わされる。 …そのシステムを使ってレベル上げ。 してるような人がホームタウンの酒場なんかにいるワケないよね。
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