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そんなバトルの最中だった。
一方地下牢の空気は重力を増したように重くなっており、刑罰も下っていないのに、もうその空気だけで死ねるという状況にあった。
ガタガタ
その中でわざと立てたような音が地下牢に鳴り響く。
顔を上げれば、一人の女が…それは第2王女のネリア・エル・カーネリオンだった。
その王女は聖戦士たちの話を聞きつけて、あろうことか王を殴り飛ばして、地下牢を開けてもらえないと知るや、自ら地下へ赴き、ピッキングを敢行したのだった。
普段は温厚な王女も、この時ばかりはキレていた。
「お父様は間違っています!
聖戦士の方々はちゃんとお姉さまを助け出したではありませんか!」
件の経緯を聴いて、最初の台詞がこれだった。
さしもの王も娘の言葉には返す言葉がなく、
「…………」
沈んでいると、
バキッ
右の頬に拳が突き刺さってきた。
流石に毎日鍛錬しているだけあって、かなりの威力を持っていた。
そこに意力を+してもいる。
その力は鍛えれば魔王軍にも匹敵するだろうことを王は身を以て知った。
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