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「さて、どうしますかね」
ずっと水晶漬けにされていた体をほぐすように動かしながら、姫、サフィリア・エル・カーネリオンは言った。
「ひとまずは」
そう言って懐に抱えていた地図を絨毯のように地面に広げて、
「お父様の部屋にあったヤツ黙って持って来ちゃったけど」
………………少し考える。
「大丈夫よね。盗んだワケじゃないし」
世間ではそれを…
「うっさいよ?」
「私にナレーションにつっこむなんて古くさいマネさせないでくれる?」
……………
「よろしい」
邪魔なヤツもいなくなったことだし、改めて考えてみるとしよう。
この地図はどうやら世界地図のようだった。
今いる国を確認して、次に勇者たちの足跡を辿ってみる。
各地を転々とする足跡は定石通り、ヘキサグラムを作っており、その先端には必ず大国が位置していた。
我が国はその一番天辺に当たる。
今回何故この封印が破られたか、それは単に結界の老朽化というだけに止まらない。
それを支える術者の衰退とその隙をついた魔王の復活、王女の誘拐がトドメをさした。
と私は思っている。
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