第1章:ギルド

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「さて、どうしますかね」 ずっと水晶漬けにされていた体をほぐすように動かしながら、姫、サフィリア・エル・カーネリオンは言った。 「ひとまずは」 そう言って懐に抱えていた地図を絨毯のように地面に広げて、 「お父様の部屋にあったヤツ黙って持って来ちゃったけど」 ………………少し考える。 「大丈夫よね。盗んだワケじゃないし」 世間ではそれを… 「うっさいよ?」 「私にナレーションにつっこむなんて古くさいマネさせないでくれる?」 …………… 「よろしい」 邪魔なヤツもいなくなったことだし、改めて考えてみるとしよう。 この地図はどうやら世界地図のようだった。 今いる国を確認して、次に勇者たちの足跡を辿ってみる。 各地を転々とする足跡は定石通り、ヘキサグラムを作っており、その先端には必ず大国が位置していた。 我が国はその一番天辺に当たる。 今回何故この封印が破られたか、それは単に結界の老朽化というだけに止まらない。 それを支える術者の衰退とその隙をついた魔王の復活、王女の誘拐がトドメをさした。 と私は思っている。
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