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だけど、命がけで私を守ってくれた勇者様にそれじゃあんまりだと思った。
…これで燃えなきゃ女が廃る!
私は自分の中で勝手に火をつけて奮い立たせた。
目指すは魔王城。
あのいけ好かない魔王の所へ!
とは言っても一足跳びにそこへ行けるほど現実は甘くない。
話によれば、聖剣は魔王の部屋にあるらしい。
…玉座の隣に突き立てられてるとか。
なんちゅーことしてくれるんだ勇者様!
何でも、魔王の隣に刺すことで少し魔王の力を弱体化することができるんだとか。
どうせ魔族には触れないし、真横に刺して苦しめてやろう。
…なんて勇者様は考えてないだろうなぁ。
考えなしにそこに置いたのなら勇者様は天才に他ならない。
正義感だけが取り柄の何の変鉄もない勇者様は、
…我ながら酷い。
きっと直感があったのだと思う。
精霊でさえ相性があるのだ。
魔族と聖剣なんて悪いに決まってる。
加えて魔王を倒すための聖剣だ。
隣にあるってだけで気分も悪くなるはず。
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