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「あ~!暑い暑い暑い!だいたい遺言だってんなら母さんが自分でやりゃいいじゃねーかよ腹立つな」
あの日の出来事など、積み重なった日常の記憶に埋れほとんど忘れてしまっている。
「もう、なんか地震とか落雷で壊れろよこんな誰もこない祠なんてさ」
あれだけ大好きだった祖母のことも、今ではこんなややこしいめんどくさいことを言ってくれた疎ましい存在でしかない。
祠を背もたれにしてしゃがみ、男の子は空をボーッと見上げていた。
木漏れ日が降り注ぐ、風に木の葉が揺れると木漏れ日も揺れる。
ゆらゆら。ゆらゆら。
ゆらゆらゆらゆら。
「……掃除するか。わざわざここまで来たのに今帰ったら無駄過ぎて笑えないからな」
なんとなくだが、男の子にも思うところがあったらしい。
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