エピローグ

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その男の子は早起きが得意だった。 あまりに早く起きるから、小さい頃から毎朝祖母と一緒に近所の神社にお参りするのが日課になっていた。 今日もいつもと同じように家を出て、少し歩いたところの子ども達の遊び場でもある大きな神社に訪れる。早朝であるために人の姿は二人の他にはない。 「おいでアキ坊、今日はね。ウチの守り神様に合わせてあげるよ」 そして、彼と彼の祖母にはもう一つ日課があった。 毎朝お参りする神社の本堂とは別の、敷地の隅にある小さな木で出来た円柱の祠を掃除することだ。 このことは男の子が小学校に上がってから聞いたことだが、なんでも、その祠のある一角だけは男の子の家が土地を保有していて、祠を代々受け継いで来たらしい。
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