エピローグ

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とにかく、ある日のことだ。いつものように祠の掃除を終え、雑巾をビニル袋に詰めた祖母が男の子にそう言った。 男の子は、言っていることがよくわかっていなかったようだけれども、大好きな祖母が何か見せてくれるということだけで嬉しくて頷く。 祖母は優しく男の子に微笑み掛けると、祠に向かって何かブツブツ呟き始めた。 その顔が自分を叱る時の顔と似ていたので、男の子は少し不安になって祖母のダボダボスカートの裾を掴む。 「おや、ごめんなアキ坊。おばあちゃん怖かったか?でも、もう大丈夫だ……見てご覧」 祖母はそんな男の子に気付くと、すぐに柔和な笑みを浮かべて頭を撫でてやった。 そして、祖母は男の子を背中に乗せて、祠の中身を見せてあげる。 男の子がそれを見た時、円柱の祠はなぜかなくなっていて、それがあったところでは子猫ほどの大きさの奇妙な生き物が二匹、気持ちよさそうに転がって眠っていた。
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