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男の子は、おばあちゃんこれなに、と興奮した様子で訊ねる。
「この仔らが怖くないのかい?」
こんな猫みたいなの怖くないなにこれ、と奇妙な生き物に手を伸ばしながら男の子はもう一度同じことを訊ねた。
祖母はなぜか身体を震わせている。
「そうかい、あんたにはそう見えるのかい。そうかい……そうかい……」
祖母は泣いていた。
男の子は本当にわけがわからなくて、自分が何かしてしまったのかと不安で、ぎゅっと祖母の身体にしがみつき大声で泣いた。
二匹の奇妙な生き物は、それでも気持ちよさそうにぐっすり眠っている。
男の子が、この奇妙な生き物と祖母の泣いていた理由を知ったのは、これから十三年後のことだ。
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