第一章

3/9
前へ
/9ページ
次へ
入学式は滞りなく終わり新入生達はそれぞれのクラスへと向かう。どのクラスかは合格通知と共に送られてくるので前もって分かっている。学園の地図も一緒にあったので迷うことなく自らのクラスへ向かって行く。 ルイスも自分のクラスであるA組の教室へと入り、指定された座席に着く。その間にそれなりの数の視線を向けられたが知らんぷりをする。しばらくするとその視線も無くなって入学式のときと同じくクラス中がざわめく。理由も同じでサラ・ハーミットが教室へと入ってきたからである。そして今回は彼女だけでなくその隣にいる女子生徒ミラ・ノーラスも理由の一つである。彼女ミラ・ノーラスも特級貴族の人間である。 今回はサラと目が合うことはなかった(ミラの方に顔を向けていたため)がミラと目が合う。サラのように睨み付けられることは無かったが今度は気まずそうに目を背けられた。誰も気づいていないと思うーーもしかしたらサラは気づいたかもしれないがーーのでルイスはまた無かったことにした。 それからは彼女達が視線を独占したためルイスに視線が来ることも無くしばらくすると先生がやって来た。 「全員いますね。皆さん、入学おめでとうございます。私はこのクラスの担任のサーシャ・フロストです。授業では魔法戦闘学を担当します。一年間よろしくお願いします。 それでは早速ですが自己紹介をしてもらいましょう。廊下側の人からお願いします。」 担任にそう言われ順に自己紹介が始まる。名前の他にも得意属性や得意魔法など話していく。ルイスも順番が回ってきたので起立して自己紹介する。 「ルイス・ウィリア、得意属性、魔法共に無し。近接戦闘が得意だ。よろしく。」 そう言うと教室に入った時のものに加えて珍しいものを見る目で見られたがその視線もすぐに次の人へと移っていった。 そうして自己紹介も終わり、担任から明日の予定についての話を聞き解散となった。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加