身の上

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 「今更……そんな土下座くらいで許されると……思わないで。憎い。苦しい。恨めしい。……あんた達家族を殺してやりたいくらいよ」  何を言われても、仕方がない。家出したと言われて、鵜呑みにして、探す気がなかったのは……確かだ。  しかし、最後の一言で、私は身体を震わせた。  「……本当に?」  「そうよ。殺してやりたいわ。もう、堕ちる所まで堕ちたし。だけど。そんなことをして、あの家に戻っても、パパもママも居ない。だったら……生き地獄を味わわせてやるわ」  電気が走り抜けたような衝撃を私は浴びる。お姉ちゃんのその顔に、本気を読み取って……私は言った。  「だったら……。だったら、復讐させてあげる」  お姉ちゃんは、一瞬、何を言ってるわけ?という顔を見せた。
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