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お姉ちゃんと再会してから1ヶ月後。
「行ってきます」
屈託なく笑う私は、母に告げる。
「いってらっしゃい」
無理やり笑顔を浮かべる母。
「……行ってきます」
お姉ちゃんの無愛想な挨拶。
「いいいいってらっしゃい」
びくびくしながら、挨拶する母。
私達は2人で高校に通う。お姉ちゃんも、私と同じ高校1年生として。
少しだけふっくらしたお姉ちゃん。本当の家主として、元気が出て来たらしい。
「まだ、許すつもりは無いわ。でも、家を返してもらった事くらい、あんたに恩を感じてあげる」
知ってる。お姉ちゃんの気持ちがこれで済まない事、くらい。でも、当分は、両親も私に干渉して来ないし、お姉ちゃんにも何もしないだろう。
何より、お姉ちゃんがいる事は、私が助かる。
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