その先に

身の上

　再会したその日。私はお姉ちゃんを連れて帰った。もちろん、パパとママは仰天した。お姉ちゃんと私が一緒な事も、お姉ちゃんが汚いカッコの事も。

　パパとママが家出したお姉ちゃんを探したけれど見付からず、警察にも家出人届けは出したけれど見付からない。

　と、ご近所や学校や知人達に触れ回っていた事を知っていた。元々小心者のくせに、アパート暮らしだった私達家族に、夢のマイホームが手に入る！という分不相応な出来事が起こってしまったのが、パパとママの心に魔が差した。

　親戚の娘が成人するまで、養育がてら、住まわせてもらう。という条件なのに、一戸建てに住む事で、我が物にしたい。と。でも小心者ゆえに、なかなか追い出すという行動に、踏みきれなかった。

　けれど、日々のマイホーム暮らしは、他人の物という感覚よりも、養ってやっているんだから、家くらい貰っても……という気持ちに変わり、とうとう我が物という感覚に陥った。