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気付いたら、ホームレスっぽい、キッタナイカッコの女が座って空を見上げていた。
「何よ、アンタ」
私が言うと、女はちらりと私に視線を投げてから、気のない素振りでまた空を見上げた。
無視かよっ。イラッとしたけど。私も無視すれば良いやって気にしないでゲームを続ける。そのうち、どっかに行くだろう。
そう思っていた。でも、ちぃっとも動こうとしない。
「なんの用だよっ」
もう一度キレ気味に言うと、やっぱりちらりと視線を投げてくるだけ。イライラして仕方ない。
「あんた、私がいるのに、何、勝手にここに座ってんの!?」
女はかさついた唇から、フシュッと空気が洩れる音を出して、口を開いた。
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