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……だけど。
つい返事をしてしまったのは、その笑顔が自然な事、と――
かなりのババァだと思っていたのに、随分若く見えたからだった。
はっきり言って、30後半か40過ぎにしか見えなかった。なのに。
今の笑顔は――
同い年くらいにしか見えなかった。
初めて、まじまじと汚いカッコの女を見た。真っ直ぐ見れば、唇はカサカサ。肌もガサガサだけど、皺が無くて。本当に、同い年くらいに見えた。
「あんた、何者?」
私の視線を受け止めるだけだった女が、視線を逸らさないまま、口を開いた。
「2年前まで、同じ制服を着ていた」
さっきより、明瞭に聞こえる声は、段々と話す事を思い出してきた。という具合に思えた。
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