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「2年前……?」
コクリと頷く女は、人と話すのは、久しぶりだ。と呟く。
このあとは、もう関わっちゃダメだ。
そんな警告音が頭の中に鳴り響く。
きっと、話す。
この女は、自分の事を話す。
聞きたくない。関わりたくない。他人を知りたくない。
自分を、知られたくない。
耳を塞いでこの公園を離れれば……飛び出してしまえば良い。二度と、この公園に近寄らなければ……
傷付かずに済む。
解っているのに。女に呑まれたように、身体が凍り付いて動かない。
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
聞きたくない。聞きたくない。聞きたくない。
……指の一本も動かない。自分の思い通りにならない。なぜ。
女は話を続けるつもりで、口を開いた。
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