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「お嬢様には、特別室へご案内したいと思いまして」
にっこり笑うオーナーに、お嬢様も釣られて笑う。
特別室という響きも気に入った。特別こそ、常連客に対する扱いではないか。と。
お嬢様は、笑顔でオーナーに案内されるがまま、店の奥へと進む。店の奥には何も無く、お嬢様が首を傾げるとオーナーが告げた。
「申し訳ないのですが、お嬢様。特別室は、ここには無いのです。移動しますので外へ行きましょう」
スタッフオンリーのドアを通る所が、尚更特別感を演出してお嬢様はワクワクする。ドアの向こうは、地下駐車場で、1台の車の前でオーナーが止まった。
オーナーの車に乗って移動をするなんて、更にワクワクするお嬢様は、助手席に乗り込むなり、「目を閉じて下さい。」というお願いにも、従った。
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