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「実は、カレの事なの!」
この場合のカレとは、第三者に対する意味ではなく、カレシ――つまり恋人を指す意味を持つ。
「おや、また、お嬢様の心を煩わせる不埒者が、何かやらかしたわけですね?」
「違うのよ!この前のカレとは別れたの!ほら、前の男は、結婚の約束をしても、3年も待たせたじゃない?で、執事の言うように、結婚するかしないか、突き付けたのよ。そしたら、結婚しない方を選んだから、叩き出してやったの!」
最初から興奮気味に話すお嬢様の元カレは、言わばお嬢様のヒモだった。
アーティストを気取ってはいたものの、努力も閃きも無い男は、アーティストとして1本立ちなど出来もせず、もちろん、働く甲斐性など全く無い男。
それでも、三十路をゆうに越えたお嬢様は、結婚という二文字の為に男を養っていたけれど、男に結婚の意思は無い事が解った為、別れた。という話をオーナーにぶちまけている。
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