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「そうですねぇ……。困った事をなさって下さいました」
オーナーはため息をつく。しかし、その目はキラリと輝いて、まるで獲物に狙いを定めたハンターそのもの。
その目は一瞬で、かつ、お嬢様には悟らせないように、考えるフリをしながら巧みに、空を見つめていた。
「やっぱり、お前も解ってくれる!?そうだと思っていたのよ!私は正しいのね!」
オーナーの同意を受けて、悦に入ったお嬢様を見ながら、オーナーはパチン!と指を鳴らした。
オーナーの合図で、執事見習い君達が、お嬢様の周囲を取り囲んだ。
「えっ?えっ?何?なんなの?」
お嬢様は、友に誘われてこの店に来て以来、これで5回目くらいではあるが、こんなことは初めてだった。
無言で、お嬢様の椅子を引いて、恭しく立ち上がるように求める執事見習い君の1人。恭しくではあるが、強制だ。
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