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「おっす,まことぉ~」
後ろから思いっきり背中を叩かれる。
突然の衝撃に,心臓が大きく跳ねた。
「おいダイ,殺すぞ。」
「おっかねぇ~先行っとりや-す」
ケラケラ笑いながら,くそダイが走って逃げた。
くそダイはともかく。
なんだか,初日から,嫌な予感しかしねぇ。
重いため息が出た。
「あ,大野くん髪切ってる~!似合う~!おしゃれだねぇ。いつもどこで髪切ってるの?代官山とか?なーんちゃって。」
嫌な予感の正体,これかな。
よくわかんねぇ女が,親しげに話しかけてきた。
代官山?はん。近所の1000円カットの床屋だよ。悪いか。
てゆーか,お前,誰。
シカトする俺をシカトして,女はしゃべり続ける。
「クラス替え嫌だなぁ~。2年も,大野くんと同じクラスだったらいいのにぃ~」
ということは,同じクラス“だった”奴か。
俺は,“絶対に”お前とは“なりたくない”けどな。
ここ,大事なので協調しておこう。
俺はすぐ,思ったことを口に出しやすいタイプだ。
それで過去になんども面倒なことを起こしてきた。
やっと,ここ最近,心の中で悪態をつくことに慣れてきたとこ,だ。
心の中で何を思おうと自由さ,言わなきゃいいだろ。ははは
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