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「ああ、愛に言っておきたい事がある。今、気が付いたばかりでちょっと混乱してっからもうちょっと待ってくれると助かる。」
俺の言葉に愛はすっかり調子を取り戻した顔つきで、変な錦ちゃんと毒を吐く。
そんなの自分が一番分かってる。
でも、なんでまた、このタイミングで自覚してしまったんだろう。
さっき、あんなに愛を傷つけてしまって更に傷口に塩を塗るような残酷な言葉を掛けて、告白を吹っかけてしまった後でこんな事になるとは。
でも、だからこそ俺は男らしく愛に態度で示さなければいけない。
愛はぼんやりと窓の外を眺めながら時折カフェオレに口をつける。
俺が今から言う言葉を聞いたら愛はどんな顔をするんだろう。
仕方ない、なるようにしかならないのだから時間稼ぎしても仕方ない。俺には時間がない。サッサと伝えて、そして愛の告白を嫌でも応援して、そしてもし愛が上手くいかなかったら、吉川なんか止めて俺にしろと男らしくかつ強引に説き伏せてやる。
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