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「錦ちゃん、顔が良くて八方美人なだけじゃダメなんだからね。他に特技とか長所とかなくちゃイイ男って言わないんだからね。」
あれがいつの事だったかハッキリとは記憶にないけれど、愛が泣きそうな顔で俺に怒鳴り散らした台詞は今でもはっきりと覚えている。
「うっとおしいな。お前、無愛想で可愛くなくてモテないからって俺に八つ当たりするなよ。」
よくある口喧嘩の類だったはずなのに、いつの間にか白熱して言い返した俺に対して愛は今までになく真剣な顔で言い返した。
「…サイテー錦ちゃん！ちょっとは由ちゃん見習いなよ！」
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